遠方や出張中などの理由で葬儀に参列できないときは、香典とともに、弔電を打つよとよいでしょう。また、仕事関係者やその家族が亡くなった場合、担当者が葬儀に参列しても、会社の代表者名義で別途弔電を打つのが通例となっています。
弔電や香典を送った場合でも、可能なら、初七日過ぎたあたりで弔問に伺います。それまでは遺族も葬儀の後始末などで忙しく、訪問しては迷惑にあたる場合もあります。
表書きは「御霊前」とします。宗教に問わず使える表書きです。不幸を知って駆け付ける弔問の際には、持参しません。
通夜 に参列する時はその際に、出席しないなら告別式にと、初めて参列する儀式の時に直接持参します。地味な色のふくさか、慶弔両用の台つきふくさに包んで持ち歩くようにします。
受付があれば受付台に置きますが、祭壇に直接供える時は、焼香箱の横に、先方から文字が読める向きに差し出します。
遺族や近親者、世話役代表(葬儀委員長)、弔辞献呈者は正式の喪服を着ます。他の一般会葬者は略式の喪服で構いません。男性の場合の略式喪装は、ダークスーツに黒いネクタイを締めます。女性の略式喪装は、洋装は地味なデザインのスーツかワンピースが基本で、黒一色が理想です。
結婚指輪以外のアクセサリーははずしますが、真珠だけはつけてもよいことになっています。和装は色無地にも喪帯を合わせます。
宛名は喪主か、自分が知っている遺族の名、または「○○様御遺族」とします。文章は、「ご尊父様のご逝去を慎み、謹んでお悔やみを申し上げます。」「在りし日のお姿をしのび心よりご冥福をお祈りいたします。」などの定型文例を利用するのが一般的です。
ただ、文例そのままでは先方の心には残らないので、自分と故人の関係ならではのひと言がほしいものです。故人については喪主から見た続柄の敬称にします。
葬儀のあと7日目ごとに7回の忌日があり、このうち初七日、三十五日、四十九日が重要な忌日とされます。忌明けは、宗派により三十五日または四十九日とし、親戚、知人を招いて法要を営むのが普通です。
招かれたら忌明けまでは「御霊前」「御香料」等とし、忌明け後の法要は、「御仏前」「御香料」等と表書きして現金を包みます。品物を持参することは最近は少なくなりました。現金の額は香典の半額程度が普通のようです。水引は黒白・双銀・双白の結び切りで熨斗は付けません。地方によっては黄白の水引を用いるところもあります。
参列できない場合、金封にお詫びの手紙を添えて、当日に間に合うように送ります。一般の供物料へのお返しは、当日参会者に引出物を配ってこれに代えるのが普通です。よく選ばれるのはシーツやタオル、漆器、海苔などの実用的なものです。お菓子やお茶をつける場合もあります。
■法要の例 |
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初七回忌 | しょなのかき | 6日目 | 葬儀当日に営んだ場合も、僧侶に読経を依頼し、内輪だけで供養。 |
二七日忌 | ふたなのかき | 13日目 | 僧侶には依頼せず、お供えをして遺族など内輪だけで会食。 |
三七日忌 | みなのかき | 20日目 | |
四七日忌 | よなのかき | 27日目 | |
五七日忌 | いつなのかき | 34日目 | 近親者を招き、僧侶に読経してもらい供養する場合も。 |
六七日忌 | むなのかき | 41日目 | |
七七日忌 (四十九日) |
しちしちにちき しじゅうくにち |
48日目 | 《準備》 日取りを決め、早めに僧侶に依頼。 会場、料理、引き物、案内状の手配。 《法要当日》 比較的盛大に寺院などで。 (浄土真宗以外では卒塔婆を用意) 納骨(しない場合もあります) 白木の位牌を菩提寺に納め、黒塗りの塗位牌を仏壇に安置。 |
百か日 | ひゃっかにち | 99日目 | 内輪だけで会食 |
一周忌 | いっしゅうき | 1年目 | 《準備》 日取りを決め、僧侶に依 頼。 会場、料理、引き物、案内状の手配。 《法要当日》 寺院などで。 (浄土真宗以外では卒塔婆を用意) |
三回忌 | さんかいき | 2年目 | 三回忌以降は、亡くなった年を「一」と数え、その数字で、「○回忌」と呼ぶ。 特に三回忌、七回忌、十三回忌、二十三回忌、二十七回忌は節目の年なので、内輪で会食を行う。 三十三回忌、または五十回忌を「弔い上げ」として、法要の最終年とすることが多い。 |
香典とは、文字どおり香の代わりに霊前に供えるものなので、本来はお礼のあいさつだけでいいのですが、四十九日の法要後、忌明けのあいさつ状とともに、香典のお返しをするのが通例になっています。
金額的には「半返し」といって、いただいた香典の半額が目安になります。しかし、香典額はさまざまですから、遂一半額の品を選ぶのは大変です。実際には、たとえば、2千円、5千円、1万円など2~3種類の段階をつけて香典返しの品を選び、いただいた額の「半返しに近いものを送る方法を基本にすればよいでしょう。品物は、日常使いの食品や生活用品がよいでしょう。お茶、海苔、お菓子、タオルやシーツ、石鹸、ふろしきやふくさなどが用いられます。